一瞬のこととはいえ、二百度を超えるストーブの天板の上に生尻でしっかと座り、二十キロ近くはあったであろう体重をかけていたことになる。
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尻の焼き印
どこの家庭と比べたわけではないけれど、どちらかといえばしつけに厳しい家庭に育ったように思う。
食事の際に音を立てることは厳禁だったし、スケジュール表なるものを毎日こと細かに書かされていた。殴られた、投げ飛ばされた、などということは何度となくあった。
ダウンコート
冬が近づくと一着の白いダウンコートを思い出す。
どうしてあの日に限って、毎日のように見ていたダウンコートの前で足が止まったのだろうか。
さえぎる頭
幼少の頃、祖母も母も孫、息子の頭が大きいことを暗に、いや、しっかりと認めていたものの、当の本人にそうした自覚はなかった。
まだ容姿を気にする歳ではなかったし、頭の大きさを意識する場面がなかったからだろう。
卒業生
二十年ほど前に自動車の専門学校で非常勤講師を務めていたことがある。
学生たちに何を教え、伝えられるでもなかったけれど、 続きを読む