”でっかいどお。北海道” ―― 幼少の時分に見聞きしたその広告コピーからなんだか楽しいところのような気がしてならなかった。学生になると山や森の中を車で走ればラリーの良い練習になるだろう、と考えた。
「行ってみたい」、ずっとそう思いながら、訪れることのないまま過ごしていると、出張の話が舞い込んだ。初めて北の大地に降り立った時には気持ちが昂ったことを覚えている。今から十四年ほど前のことである。

それから一年ほどの間、たびたび出張が組まれるようになったある日、諸事情により出張の機会はなくなってしまうのだった。
いつしか北海道は懐かしの地になってしまい、あまり考えることもなくなっていた。
ところがアメリカから帰国すると再び出張が組まれるようになり、年を追うごとにその機会が増え、最近は毎月のように北海道へ飛び、ひと月の半分を過ごすこともある。パソコンの前に座る今も北海道に。
ホテルと職場の往復ばかりとはいえ、北海道の素晴らしさに気づかされる。
コロナ禍にあって外食は自粛せざるを得ず、コンビニ食の毎日にあるから、名物や名店について書くことはできないけども、美しい景色の写真を届けられるかもしれない。
明日から北海道の記事をいくつか。