二十年ほど前に自動車の専門学校で非常勤講師を務めていたことがある。
学生たちに何を教え、伝えられるでもなかったけれど、彼ら彼女らとは授業のみならず、放課後にファミレスでテーブルを囲んだこともあれば、週末にはクルマの整備を手伝ったことも、手伝ってもらったこともあって、いずれも思い出深い。
一部の卒業生とは現在でも交流があり、メールや年賀状のやりとりは密かな楽しみとなっている。
昨年の秋には、卒業生から「帰国したら相談に乗ってほしい」との連絡をもらい、年末に会ってきた。
店は任せてもらっていいですか ―― 気を利かせて席の予約をしておいてくれた居酒屋で落ち合った。
焼き鳥が嬉しい。僕の焼き鳥好きを覚えていてくれていたのだろう。
互いの近況などをそこそこに、本題へと入った。相談とは、就いてみたい仕事があって、転職すべきか悩んでいる、というものだった。
好き勝手にやってきた僕の意見など、何の参考にもならないだろうけど、反面教師にはなれそうだ。
安定した職に就き、四十代を目前にした彼の転職に反対する人がいたとしても不思議はない。彼がその反面教師に声をかけたのは、ただ背中を押して欲しかったのであろう、と想像する。
やってみなきゃわからないじゃない。やってみなよ ―― 彼らの入学の日から卒業の日まで、いや、卒業後も僕はそう言いつづけてきたから、相談に対する答えは聞かずともわかっていたに違いない。
居酒屋をあとにして、駅の改札で交わした握手から強い意思を感じた。結果報告の日を楽しみに。
転職の成功を祈るばかりですね。こんなはずじゃなかったという後悔になっては・・・。気持ちは不退転で臨み、もしダメだったら戻れたら最高なんですが・・・。やらなかった後悔はあと引くらしいので、やって後悔したほうがいいと思います。でも将来結婚したいなら、安定の力は大きいですよこの時代。仕事に生きて、結婚しないつもりなら渡り歩くのもよいかと。いろいろごちゃごちゃすみません。身近な話題だったのでつい私語が多くなりました。
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BlueSkyさん
コメントありがとうございます。いえいえ、私語で問題ありません。ここはそういう場でもありますので。たしかに思うようになるとは限らず、難しいところですね。それでも、本人の意欲に触れますと背中を押してしまう僕です。
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