舗装路、未舗装路、雪上に氷上、泥地も。どの路面を走るにしても、クルマとタイヤが持つ性能の限界に近づこうとすればするほど運転の難易度は上がる。
難しさにもいろいろあって、先の予測がつかない中で起きたことに対して瞬時に反応しなければならないところに、砂利道における運転の難しさがある。
硬く絞まった土の上に敷かれた砂利は、タイヤの回転に伴って動いてしまう。玉乗りをしながら加速と減速、旋回を繰り返すイメージに近いかもしれない。
砂利は一つとして形も大きさも同じものはないから、その動きは不規則であり、読めたものではない。
車両の姿勢が乱れたとする。アクセルを開けて立て直すのか、ステアリングを回して修正するのか、それともブレーキを緩めてこらえるのか。
たとえば、50km/hほどの速度にしても一瞬にして数メートルもの距離を進んでいるのであって、どう操作しようかと考えている時間などない。
苦い経験は数え切れぬほどにある。
砂利道を走る度に「出直して来い」と言われているような気がしてならない。
イメージ通りの走りを ―― 明日こそ。