二十年ほど前にイギリスに住んでいた当時、フラットの一階にあった共同のキッチン、ほかにはラリーチームのファクトリーなどでくしゃみをすると、フラットメイトやメカニックから “Bless you” と声をかけられていた。
Bless you とは「神のご加護を」を意味していて、なにやら英語圏にはくしゃみをすることにより、身体から魂が抜けて、病気を患うという迷信があるのだそうで、くしゃみをした人を見舞う言葉らしい。
こうしてイギリスでは日常的に耳にしていた Bless you も同じ英語圏のアメリカでは聞かずにいて、英語圏というよりもイギリスの風習なのかと思っていた。
ところが、つい先日のこと。スーパーマーケットでくしゃみをすると、見ず知らずのマダムがすれ違いざまに Bless you と声をかけて下さった。
不意をつかれたのと、あまりの懐かしさに咄嗟に笑ってしまい、慌てて Thank you と返した。
おそらくはアメリカ人と思われるそのマダム、やはりアメリカにもその風習はあったのだ。
Bless you ―― 、若い時分には何を思うでもなかった、相手の身体を思いやるその言葉と風習に今頃になって温かみを。
日本の日常を想像した。「神のご加護を」とそのまま口にするのはいくらか抵抗があって、意訳になるけれど「お大事に」がもっとも適当ではないだろうか。
くしゃみをした見知らぬ誰かに「お大事に」と声をかけるのは、ビギナー向けではないような気がするから、手始めに友人から。
そこに温かみを感じていなかったところが若さだよねー。おれは若い時から感じてたからやはりおっさん度高
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YASHさん コメントありがとうございます。厚情と薄情、ここでその違いがはっきりと。はぁ。
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