帰国していた同僚夫婦のお土産は、日本ならではの食品の数々だった。
フリーズドライの味噌汁、まぐろフレークの缶詰、味付き海苔、などなど。おやじ向けセレクションがありがたい。
商品名を明かしては具体的過ぎるから、いくらか抽象的に「海苔の佃煮」としておくけども、昭和の食卓を飾ったあの瓶詰に和んだ。
あまりの懐かしさに一重の瞼が瞬間的に二重になるほどに目を見開いた。
記憶が正しければ、小学生の時に祖父と一緒に食べて以来のことと思う。かれこれ三十年以上前のことになる。
この日の晩御飯にさっそく瓶の蓋を開けた。
変わらぬ味に、祖父がビールを飲みながら、ごはんの上に海苔の佃煮をのせたあの日の姿がはっきりと脳裏に。
美味しくいただきました。
ごちそうさまでした。